空き家問題解決に向けて!国・都道府県・市町村の取り組みと役割

空き家の増大と放置の問題への対策

日本は少子高齢化により住民が減っているにもかかわらず、住宅の数は増える一方です。

更に、家族の人数が減る核家族化の中でマイホーム志向が根強く、実家を受け継がない人が増えるなどで、誰も住む人がいなくなる空き家が増えています。

都心志向で地方の空き家が増えているのはもちろんですが、都心部でもマンションや団地など共同住宅における空き家が増えるなど、地域を問わず、空き家率が高まっているのが現状です。

空き家対策の推進に関する特別措置法の制定目的

誰も住まなくなり、適切に管理されずに放置される空き家は防災や防犯、衛生や景観など、地域住民の生活環境にも大きな影響を及ぼしかねません。

地域住民の安全、財産の保護や生活環境の保全を図るための対策が必要で、また、社会資源を無駄にしないよう空き家の有効活用も求められることから、国による法整備が行われ、自治体や地域の活動を支援していくことが明文化されました。

空き家と特定空き家について

空き家対策の推進に関する特別措置法では空き家と特定空き家という定義があります。

空き家は居住やその他の使用がされていない常態であるものと、その敷地および庭木などの付属物も含みます。

特定空き家とは、いわゆる放置空き家として問題が生じているものの総称です。
老朽化が進行して倒壊リスクが高まっているなど、著しく保安上危険となるおそれのあるものや、ゴミ屋敷化して著しく衛生上有害となるおそれのある空き家、地域でお化け屋敷などと呼ばれる場合やゴミ屋敷化して著しく景観を損なっている状態にある空き家、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態になっている空き家を特定空き家に指定して、積極的な対策を自治体などが行いやすくしています。

国や地方自治体に求められること

空き家対策の推進に関する特別措置法で定められる対策の主な内容は以下の通りです。

国による基本指針の策定と市町村による計画の策定についての定めがあります。
国として国土交通大臣および総務大臣が空き家に関する施策の基本指針を策定するとともに、市町村は国の基本指針に即した空き家対策計画を策定することや協議会の設置ができます。
これに対して都道府県は市町村に対して技術的な助言を行い、市町村間の連絡調整など広域での必要な調整をサポートします。

空き家が地域にどのくらいあるのか、地域でどのような問題が生じているかを把握するために、市町村長は法律で規定する限度で調査をすることが認められました。たとえば、空き家の所有者を把握するために固定資産税情報の内部利用が可能です。

また、市町村は今後の取り組みをスムーズに行えるよう、空き家に関するデータベースの整備に努めなくてはなりません。

さらに空き家を放置せず、空き家を有効活用するための情報提供や跡地の活用をするための対策を講じることも求められます。
例えば、地域の業者や有志が空き家をカフェや民泊施設などに利用することや跡地にコミュニティ施設などを建てるなどの有効活用ができるようにすること等が挙げられます。

財政上の措置および税制上の措置も構築され、市町村が空き家対策を円滑に実施できるよう、費用の補助や地方交付税制度の拡張を行うほか、必要な税制上の措置などを講じていくことが定められました。

特定空き家に対する対策

地域で問題を生じさせている特定空き家に対しては自治体への立ち入り調査を認めるとともに、空き家の修繕や除却、庭の立木竹を伐採するなどの措置や指導、勧告、命令が可能となりました。

また、勧告や命令に従わない場合の最終措置として行政代執行の方法により強制執行が明確化されたのが大きな点です。

倒壊のおそれやゴミ屋敷化した空き家を行政が解体したうえで、費用を所有者に求めることができるのです。

特定空き家の具体例について

特定空き家とされれば、勧告や行政代執行などの措置を受ける場合や固定資産税が6倍となるペナルティが課せられるなどのリスクが生じるため、所有者には早めの対応が求められます。

特定空き家に認定される可能性があるのは、以下のような住宅です。

パターン1

そのまま放置すれば倒壊するなど、著しく保安上危険となるおそれのある状態。

建築物の著しい傾斜や基礎に沈下がある、柱が傾斜している場合をはじめ、基礎が破損または変形している場合や土台が腐朽または破損しているなど建築物の構造耐力上主要な部分の損傷が見られる場合などです。
また、屋根が変形したり、屋根ふき材が剥落しているケースや壁体を貫通する穴が生じていたり、看板や給湯設備が転倒している、屋外階段やバルコニーが腐食・破損・脱落しているなど、屋根や外壁などが脱落、飛散している場合、壁表面に水がしみ出したり流出しているケースも該当します。

パターン2

そのまま放置することで、著しく衛生上有害となるおそれのある状態。

浄化槽の放置や破損による汚物の流出や排水によって臭気が発生していて、地域住民の日常生活に支障を及ぼしているケース、ゴミの放置や不法投棄による臭気の発生や多数のネズミやハエ、蚊の発生で地域住民の日常生活に影響を及ぼしている、いわゆるゴミ屋敷も特定空き家の代表例です。

パターン3

適切な管理が行われていないことで、著しく景観を損なっている状態。

景観法に基づき景観計画を策定している場合や地域で定められた景観保全に関わるルールに著しく反している場合や屋根や外壁が汚物や落書きなどで外見上非常に汚れている、多数の窓ガラスが割れたままである、立木や雑草が生い茂っているなど周囲の景観と著しく不調和な状態であるケースです。

パターン4

周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態。

立木の枝などが近隣の道路にはみ出して歩行者などの通行を妨げたり、シロアリが大量に発生したり、空き家に住みついた動物が原因で臭気が発生するなど地域住民の生活に影響を及ぼす状態などです。
また、門扉が施錠されていない、窓ガラスが割れているなどで不審者の侵入リスクがあり、地域の防犯上問題があるケースも特定空き家に指定される可能性があります。

まとめ

少子高齢化による住宅供給の過剰やマイホーム志向、都心志向などに伴い、空き家が増えています。

適切に管理されずに地域の景観や防犯、防災、衛生状態などに影響を与える放置空き家も増える中、国による取り組みが始まりました。

空き家対策の推進に関する特別措置法の施行とともに、自治体との連携を深めながら、自治体が放置空き家問題の解決や空き家の有効活用に取り組めるよう法制度の整備が重要課題として進められており、国全体で空き家対策の活動を行っています。

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