品質は同等でも料金が違うのはなぜなのか?
外壁塗装をしたいと考え、複数の業者から見積もりをもらって比較してみたときに「料金に大きく差があるなぁ・・・」と感じたことはありませんか?
見積もりだけでなく、実績や実際の仕上がりを見たときに、ほぼ同等レベルの外壁塗装がなされているにも関わらず料金に差があると、なぜだろうと疑問を感じるはずです。
一体、どういう理由でこの料金の差が発生するのでしょうか?
例えば、一方がライバルに負けまいと格安セール料金を付けているのか、それとも一方が利益の上乗せをして儲けを出そうとしているのでしょうか?
もちろん、営業戦略や売上対策、大手業者のブランド料などはあるかもしれません。ですが、同じレベルの業者であっても料金に差が生じることがあり、なぜ差がつくのか主に考えられる理由をご紹介していきます。
運営コストを抑える努力をしているか?
料金設定にはコストが大きく影響します。
直接の工事にかかる塗料の仕入れ代や作業する際の人件費だけでなく、日々運営していく為のコストも反映されます。
そのため、コスト削減をしようと努力している業者であるほど、料金が安くなることが考えられるのです。
たとえば、事務所や作業所の家賃もあるので都心部や地方などの地域によっても異なりますし、自社ビル、またはもともと持っている自宅などを使っているのかでも変わってきます。
また、光熱費や通信費用などをはじめ、宣伝費や広告費、人件費などコストとして大きくなりやすい部分をカットできるかどうかで料金に差が出やすくなるのです。
広告宣伝費が抑えられているか?
ネットや雑誌などに広告を出したり、テレビCMを流したりすればそれだけ大きな費用がかかります。
チラシを印刷して新聞の折り込みにいれる、新聞広告を出す、アルバイトを雇ってチラシを配るなど、やはりコストが発生します。
一方、広告宣伝費を抑えている業者であれば、地域密着型で日々の仕事を見てもらって依頼が入ったり、工務店などを通じて依頼が入ったり、お客様からの紹介や口コミなどを通じて仕事が入り、派手な宣伝広告を行わなくてもいい分、料金を抑えることが可能です。
人件費
宣伝広告費とともに業務を運営していくうえで多大な費用がかかってくるのが、人件費です。
大手業者などの場合は営業マンと職人が別にいることが少なくありません。さらに事務員や仕入れ担当のバイヤーなど、それぞれの役割分担があり人材も豊富です。
もちろん、大手ゆえにこれだけの役割分担が必要なわけですが、小さな業者や中小の業者でもこうした人材を雇うか、もしくはできるかぎり人材を集中させるかでコストに違いが出てきます。
たとえば、職人が営業や提案、そして現場作業も行ったり、職人でもある社長が営業から仕入れの交渉なども全て自身で行っているケースもあります。
営業担当者を別にした場合、その人に専門知識や技術がないと提案内容と実際に異なってしまうことが少なくありません。知識のない営業担当者が「できる」と引き受けたものの、実際にはできなかったという問題が発生するのです。
なので、職人や社長自らが提案から現場作業まで全て担うことで、提案内容通りの納得いく工事を、より低コストで行うことが可能となります。
自社施工かアウトソーシングか?
人件費ともリンクしますが、「自社施工であるか」「どこかの段階でアウトソーシングが利用されるか」でも料金に大きく差が出ます。
たとえば、外壁塗装を行うには足場組や撤去の作業、塗装前の下地処理や塗装の三度塗りといった作業が必要になります。
また、とある工務店に外壁塗装を依頼したとしても、実は工務店のスタッフは1人も携わらないケースがあります。営業や見積もりと代金の受取だけは工務店が行い、足場組や足場の撤去は足場の専門業者、下地処理はまた別の業者、塗装は塗装業者が行うといった具合です。
となれば、それぞれの業者が利益を得られるよう、手数料を払わなくてはいけません。
いわゆる中間マージンが発生するので、その分料金が上乗せされていきます。
一方、完全自社施工で全てを自社のスタッフや職人で行うことができれば、日々の人件費の範囲で行うことができるので料金を抑えることができます。
営業から足場組、仕上げまで自社でまかなうことができれば、より低コストにできるのです。
資材の仕入れが違う
外壁塗装を行うにあたり、足場などの資材やハケなどの道具をはじめ、何よりコストを占める塗料が必要です。
こうした資材や塗料も、同業他社が同じメーカーの同じ塗料を仕入れるにしても、仕入れ値が全く違う場合があります。たとえば、「メーカーから直接仕入れるのか」「卸売り業者を通すのか」「さらには小売店から購入しているのか」で大きな差が生じます。
また、メーカーや卸売り業者から買う場合でも、仕入れる量によって単価に差がついたり、交渉力や長年の実績などのお付き合いなどによっても、仕入れ値に差が出てきたりする可能性があるのです。
業者の規模や実績、小さい業者であっても長年の歴史があったり、メーカーや卸売り業者との繋がりの強さや交渉力があったりすると、同じ塗料もより安く仕入れることができ、料金の安さに反映されてきます。
そもそも提案されるプランや使用する塗料が異なるケース
ここまでは「同じレベルの仕上がりでも、料金に差が出るのはなぜか」をご説明しましたが、見積もり比較をするうえで、業者からの提案内容が異なり料金に差が出てしまうケースもあるので、気を付けなくてはなりません。
専門知識のない素人からすると、外壁に使用される塗料はメーカーや色の差くらいしか分からず、どれも同じに見えてしまうかもしれません。
ですが、同じメーカーであっても塗料にグレードがあったり、品質に差があったりします。
同じグレードの塗料で比べれば違いが分かりやすいですが、グレードの低い塗料の提案と、グレードの高い塗料の提案を比べると、前者が安く、後者が高くなるのはいわば当たり前といえるでしょう。
塗料による耐用年数とコストの違い
ここでは塗料の種類と耐用年数および単価の違いをご紹介します。一般的に耐用年数が高くなるほど機能性も高く、外壁を保護する作用も高くなり、コストも高くなります。
アクリル塗料の耐用年数は5~7年で、三度塗り1平方メートルあたりの単価は1,400~1,600円ほどです。
ウレタンは8~10年で1,700~2,200円、現在スタンダードとなっているシリコン塗料は10~15年で2,300~3,000円が相場です。
人気が高まっているラジカル制御形塗料は12~15年で2,500~3,000円、高品質さがウリのフッ素塗料は15~20年で3,800~4,800円となります。
さらに機能性を高めた光触媒塗料だと15~20年で4,200~5,000円、無機塗料は20~25年で単価は4,500~5,500円ほどです。
いずれの塗料で提案がなされているのか、よく確認して比べてみましょう。
外壁塗装で横行する詐欺に騙されないで
例えば自宅に外壁塗装をする際、3社から見積もり比較を行ったとします。
シリコン塗料で外壁塗装の依頼をし、見積もりで明らかに他社より安すぎる料金の業者があれば注意しなければなりません。
よくあるケースで言えば、「依頼した塗料の缶の中身を安化の塗料に変えていた」などです。
依頼された塗料と見せかけ、中身を安化の塗料に変えてしまう事で他社より安く見積もりを提示することが可能となるのです。塗料缶の中身を変えてしまえば依頼主はもちろん、プロの職人でさえ気づくことは出来ません。
また、「塗装前の工程を省く」や「三度塗りのはずが二度塗りしかしていない」などもよく耳にします。
まとめ
外壁塗装は、家を守るうえでとても大切なリフォームの一つと言えるでしょう。
塗装のクラック(ひび)から雨水などが侵入し、結果、大事な自宅がボロボロになってしまう、と言ったことも多々あります。
定期的に自宅の外壁を塗り替えていくことをおススメしますが、外壁塗装は費用的に決して安い物ではありません。
数社から見積もりを取る、選んだ会社の口コミや評判を調べておくなど、しっかりと注意点を踏まえ自宅をより良い形で守っていきましょう。
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