皆さんは地震保険に加入されていますか?
実は、地震保険の加入率は約30%※と、かなり低いのです。(※2016年時点)
日本は地震大国と言われています。しかし、心配な気持ちはありながらも心のどこかで「うちの地域は大丈夫」、「大地震は起きないだろう」と他人事のように考えてしまっている人が多いのではないでしょうか。
ですが、地震は全国どの地域で起こってもおかしくありません。
実際にみなさんもご存じの通り、阪神大震災、東日本大震災、熊本大震災、新潟中越地震や北海道地震など全国各地で被害が生じています。しかも、それらは規模が大きいケースが目立っています。
更には、東海地方にも大地震が起こるだろうとも言われ続けています。
家が倒壊してしまっても、住宅ローンはなくなりません
大きな地震が起これば、自宅が倒壊することや家財が全て失われる被害も起こりえます。
国や自治体によるサポートや義援金などもあるとはいえ、多くの人に被害が生じればその分、分配額はわずかなものとなってしまいます。そのため、基本的には自分で家を建て直す方法や家財を揃え直すしかありません。
多くの方が住宅ローンを利用してマイホームを購入していると思いますが、地震で倒壊しても基本的には住宅ローンの返済がなくなるわけではありません。なくなったマイホームのために住宅ローンの返済を続けながら、新たに家を建築・購入しなくてはならないとなれば、費用面も含めかなり難しいものがあります。
地震保険への加入は、万が一の時に再びマイホームを持つ為、住宅ローンの返済に困らない為にもとても大切なのです。
地震保険単体では入れない
「だったら早速入りたい」と思っても、地震保険は単体では入ることができません。
地震保険に加入するには、火災保険に加入していることが前提となります。火災保険に加入している方は多いと思うので、その保険会社に問い合わせるか、別の保険会社であっても地震保険に加入することは可能です。
火災保険にも加入していないという方は、火災保険とともに入らなくてはなりません。火災保険も家を守るためにとても重要な保険です。必ず加入するようにしましょう。
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補償金額に上限がある
火災保険については建物や家財の時価や再購入価格の新価まで入ることができ、万が一、火災で家が消失した場合や家財を失っても、最大で同レベルの家を建てるだけの補償金額を設定することができます。
ですが、地震保険の場合は火災保険の補償金額の30%~50%まで、なおかつ、建物は最大で5000万円、家財は最大で1000万円までしか加入することができません。
なぜ、このような上限が設けられているのでしょうか。
これは、地震の被害が広い地域で発生し、地域全体で莫大な損害が出た場合、保険会社が払いきれないリスクがあるためです。
例えば、火災で類焼が起こっても都道府県一つを消失させることは考えにくいでしょう。
火災のニュースを見ていても1軒だけで消火されるケースが多く、類焼しても3軒程度、火の勢いが強くても10軒から20軒程度でおさまるのが一般的です。
これに対して、一度大地震が発生すれば、東日本大震災のように東北地方全体から関東地方に至るまで幅広い地域で大きな損害が発生し、いかに保険会社が国の支援を受けながら頑張ったとしても払いきれません。
万が一の地震損害が発生した際に、加入者の全てに平等かつ最低限の補償が行きわたるようにするためにも上限額が設定されているのです。
「建物」と「家財」どちらも契約しましょう
地震保険は火災保険と同様、「建物」と「家財」を別々に契約します。
「建物」は建物本体、門や塀、物置などを指し、「家財」は家具、家電など建物内に収められているものとなります。
地震保険では最大でも保険金額は火災保険の保険金額の50%、建物の場合は5000万円が上限となってしまうので、地震で住宅が倒壊しても、現在住んでいるのと同等の建物を建てるのは難しいものがあります。
また、住宅ローンを組んでいる方はその残金の支払いも残されます。
そこで、少しでも建物再築のための費用を増やす場合や住宅ローンとの二重払いに困らないようにするためには、家財の地震保険にも入っておくと、いざというとき役立ちます。
たとえば、建物の火災保険に2000万円、地震保険に上限50%の1000万円加入していて、地震で倒壊した場合、1000万円の保険金では現在と同じ2000万円の建物は建てることはできず、自己資金での工面や、残債があるのに再び住宅ローンを組まなくてはなりません。
これに対して、家財の火災保険に家族4人分として1000万円、地震保険にも上限50%の500万円加入していれば、建物が倒壊して家財の全損が認められれば、500万円が受け取れます。
つまり、建物と家財の地震保険金の合計額は1500万円となります。
どんな場合に補償金が出るのか
では、地震保険(建物+家財)に加入した場合、どのようなケースで補償金が出るのでしょうか?
具体例としては、
・地震の揺れにより建物が損壊したり、家財が損害を受けた場合
・地震活動による噴火で建物や家財が埋没したり消失した場合
・地震による津波で建物や家財が流失した場合
・地震の影響で火災が発生した場合
などが補償金支払いの対象となります。
一方で気を付けたいのは、火災保険では地震に伴う火災に対して保険金が払われないということです。ですので、「火災保険に入っているから大丈夫だろう」ということはないのです。
よく、地震が起きて揺れで調理中のガス火が引火した場合や、ストーブが倒れて火災が発生するケースがあります。最近では地震の揺れでガスや暖房器具が自動停止する装置も普及していますが、必ずしも火災のリスクをゼロにすることはできません。
地震時の損害には地震保険しか頼れるものがないということです。
保険料率は地震のリスクによって決められている
地震保険の保険料は建物の耐震性により、木造と耐震性の高いマンションで保険料が大きく異なるのはもちろんですが、実は地域ごとに保険料率が決められていて、これは今後も変更される可能性があります。最近では、2019年1月に改定されたばかりです。
何故かというと、「地域ごとに予想される地震の起こりやすさ」や、「地震が起きた際にどれだけの被害が起こると想定されるか」を分析し、被害が高くなると予想される地域ほど、保険料率が高く設定されます。
そのため、住んでいる建物の構造や広さだけでなく、住んでいる地域によっても保険料に差が出るのでよく確認をとりましょう。
まとめ
地震大国の日本では、地震保険は万が一の住宅倒壊に備えた頼みの綱となります。
火災保険への加入が前提となるうえ、火災保険の半分までしか保証されないなどの制約もあるので、その特徴をよく理解したうえで、加入を検討してみてはいかがでしょうか。
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