戸建て住宅の寿命はどのくらい?
一戸建ては、最近でこそマンションと同じ鉄筋コンクリート造のタイプも登場していますが、一般的には木造が主流です。
戸建ての寿命は30年から50年ほどと言われることもありますが、中には江戸時代や明治時代の古民家が全国各地でいまだに残されているなど耐久性の高さが立証されているものもあります。
木造は火災や地震に弱いと言われていますが、逆に火災や地震などの災害に遭わなければ、日本の風土や気候に適した素材で造られているので耐久性も期待できるのです。
木材というのは切り出したあとも呼吸を続けており、気候や風土に適応しながら家を守ってくれています。
特に昔の建物は今の時代のような輸入の洋材ではなく、日本古来のヒノキなど風土に合った丈夫な木材を使っているので、湿気による白アリ被害なども出にくく寿命が長かったということもあるでしょう。
近年ではツーバイフォーといった耐震性や耐久性の高い工法が主流になっていますが、古い時代の伝統的な工法も日本の住宅を守ってきました。特に200年、300年と古い時代から保たれている住宅は職人技が光っています。
このように戸建てといっても、使われる材木の種類や工法、職人の技術や立地の環境によっても寿命に差が出るのです。
そして何より、長く寿命が保たれている戸建てほど、住む方の手が加わっており、適切なメンテナンスが行われ、大切に使われてきた歴史があります。
近年では有効資源の活用やエコ、少子高齢化に伴う空き家対策の見地から、耐震性や耐久性、断熱性や省エネ性に優れた100年から200年の寿命を持つ次世代に受け継げる長期優良住宅が注目を集めています。
ですが、この長期優良住宅も構造的に200年安心というよりは、適切なメンテナンスやリフォームを施していくことを前提としているのです。
つまり、戸建て住宅の寿命は住む人や管理する方法にかかっているということになります。
メンテナンスやリフォームを定期的に
木造住宅は一度、建築したら終わりではありません。
材木が呼吸を続けている木造の戸建て住宅では、日々のメンテナンスや定期的なリフォームが寿命を延ばすカギを握ります。
建てたまま何もしなければ、30年程度で住めなくなる可能性もありますが、逆に適切にメンテナンスやリフォームを繰り返していくことで、寿命をどんどん延ばしていくことができ、ライフスタイルに合わせた暮らしやすさも同時に手に入ります。
ほぼ同じ環境条件の地域に同じ時期に同じ構造の家を建てたとして、日々大切にメンテナンスを施しながら生活をされる家と、全く手をかけない家では寿命に大きな差が出ることでしょう。
日々のメンテナンス
木造の家屋というのは、とにかく湿気を嫌います。
そのため、毎日、お部屋のいたるところの窓を開けて換気を施すことや天気のいい日には空気をしっかり入れ替えるなどして湿気をこもらせないことが大切です。
水回りの掃除にも気を使い、水が残ったままで放置しない。お風呂に入ったあとは水気を拭きとり、乾燥させるのがおすすめです。
木造住宅の天敵でもある白アリは、湿気が原因で発生することが多いのです。家屋の基礎の床下部分に湿気が溜まることで繁殖しはじめ、基礎や柱などを食い散らして戸建て住宅の寿命を縮めてしまいます。
そのため、土台部分にも通気口があるのですが、日当たりが悪く、湿気が溜まりやすい場所にある住宅などは白アリのリスクが高くなります。
対策としては定期的な診断(ホームインスペクション)を受けるとともに、湿気が酷いときには床下に白アリ対策専用の乾燥機を設置して湿気をとるのも有効です。
外装
戸建て住宅の寿命を延ばすためにはもちろん、外装も重要です。
屋根や外壁などの外装部分は常に紫外線や風雨にさらされており、ダメージを受けやすい部分ですが、住宅を雨風や紫外線による影響から守ってくれる役割を果たしています。そのため、常に外壁や屋根をいい状態に保ってあげることが寿命を延ばすポイントです。
どのくらいの期間でリフォームをするかは、使われている素材や塗料の性質によっても異なり、安い塗料などを使っていると5年から7年程度で劣化が進む場合もある一方、高品質な最新の塗料なら20年ほど保つものもあります。環境や気候にも左右されるので一般的には10年から15年に一度は屋根塗装や外壁塗装を繰り返していきたいものです。
その期間が経たなくても退色や劣化が感じられたら、専門業者に相談しましょう。劣化状態の診断は無料で対応しているところも多いので、定期的に確認してもらうのもおすすめです。
室内
室内には定期的なメンテナンスやリフォームが必要な場所がたくさんあります。
和室の畳やふすま、障子の張り替えや交換にはじまり、洋室のフローリングやクロスの張り替え・交換、キッチンやバスルーム、洗面所やトイレの設備の交換なども欠かせません。
家族構成や使い方によっても異なりますが、一般的にはどの設備も10年から15年に一度は見直しをおススメします。
お子様の誕生や成長など家族構成やライフスタイルの変化に合わせてリフォームをしていく方法もありますが、そういったニーズがない場合でも、住宅を守るために定期的に交換を行っていきましょう。
そうすれば、時代のニーズに合った便利で快適な高性能の機能が付いたものへと入れ替えていくことができます。
リフォーム計画や費用の計画を立てておこう
戸建て住宅の寿命を維持していくうえでは、メンテナンスやリフォームをするための費用がかかります。
一度建てたら終わり、住宅ローンの返済だけをすればいいのではなく、メンテナンスやリフォームの費用も準備しておかなくてはなりません。
住宅を建てた段階で、できればメンテナンス計画やリフォーム計画を立て、それに備えていくらくらいかかるかを計算して費用計画も立てることがおすすめです。
その計画に合わせて資金が捻出できるように貯蓄をしたり、節約したりしながら費用を準備できれば、家が傷んできたけれどお金がないからリフォームできないと家の寿命を縮めなくて済みます。
まとめ
木造の戸建て住宅は耐火性や耐震性で劣ることから寿命が短いように思われがちですが、実はメンテナンスやリフォームをしっかりしていくことで、100年、200年と寿命を延ばすことができます。
日々のメンテナンスを行うとともに、外装や室内の空間に至るまでリフォームや交換が必要となる場所を把握し、定期的なリフォームができるよう、資金面も含めて計画を立てて実践していきましょう。
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